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2026.05.19
家づくりの基礎知識

家を建てる前に知っておきたい「地盤改良」の話

安心・安全な暮らしを支える、土の話

家を建てるとき、間取りや外観、設備のグレードに目が向きがちです。

でも実は、家の「安全」を最も根本から支えているのは、華やかな仕上げでも最新の設備でもなく、目に見えない「地盤」です。

今回は、家づくりを進める上で避けて通れない「地盤改良」について、わかりやすく解説していきます。

費用や工法の種類、工事のタイミングまで、ぜひ最後までお読みください。

サンハウス国分

そもそも「地盤改良」とは?

地盤改良とは、建物を建てる前に地面を補強して、家を安全に支えられる状態にする工事のことです。

私たちの足元の地面は、砂や粘土、礫(れき)などが複雑に重なり合ってできています。

中には建物の重さに耐えられないほど柔らかい層が存在することがあり、そのまま住宅の基礎を作ると家が沈んだり、傾いたりする「不同沈下(ふどうちんか)」が起こるリスクがあります。

地盤改良はこのリスクをゼロに近づけるための大切な工程です。

家づくりにおいて「基礎の下にある地面」を整えることは、家全体の寿命と安全性に直結する、最も重要な工程のひとつと言えるでしょう。

地盤の良し悪しは、調査してみるまでわからない

少し前のことになりますが、私自身が土地を購入したときのお話。

選んだのは、きれいに整備されたばかりの分譲地でした。道路も舗装され、価格も立地も気に入っていて、迷わず購入を決めました。ところが…

いざ地盤調査を行ってみると、「地盤改良が必要」という結果が出たのです。

「こんなに綺麗な分譲地なのに?」正直、驚きました。さらに驚いたのは、お隣の区画は改良不要だったという事実です。

同じ分譲地、同じように見える更地。それなのに、私の区画は改良が必要だった。このとき初めて、「地盤は目に見えない」という意味を実感しました。

なぜ同じ分譲地の中で「改良が必要な区画」と「不要な区画」が生まれるのでしょうか。

答えは造成の仕方にあります。

分譲地を造成するとき、山を切り崩した土(切土・きりど)で埋めた部分と、低い場所に土を盛り上げた部分(盛り土・もりど)が混在することがよくあります。

切土部分は比較的固い地盤であることが多いのですが、盛り土の部分は土が十分に締まっておらず、柔らかい状態のことが多い。

年月とともに少しずつ沈んでいく「沈下」が起こりやすいのです。

私の区画はちょうど盛り土の割合が多い場所にかかっていたのでしょう。お隣は切土側だったため改良不要、私は盛り土側だったため改良必要…

同じ分譲地の隣同士でも、地下の事情はまったく異なっていたわけです。

地盤の強度は、土地を購入する段階では確認できません。

どれほど見た目がよく整備された土地でも、地下の状態は専門的な調査をしてみるまでわからない。これが地盤の難しさであり、注意が必要な理由です。

「立地も気に入った。価格も納得した。ようやく土地が決まった!」

そのあと、地盤調査の結果を受けて頭を抱えるお施主様の声を、私たちは決して少なくない頻度で耳にします。実は、よくあることなのです。

「造成したての土地」も「田畑だった土地」も要注意

田んぼ・水田跡地は特に注意が必要。

田んぼは昔から、河川周辺の湿地帯に作られてきました。

稲作に適した肥沃な土地である反面、住宅地盤としては不向きな性質を持っています。

その理由をまとめると以下の通りです。

① 土自体が軟らかく、圧縮しやすい

田んぼの土は、葦などの湿地性植物が長年かけて堆積・腐植した「腐植土(ふしょくど)」が含まれることが多く、植物の繊維片による隙間が多いため、建物の重さで圧縮されやすい性質があります。

② 通常の地盤改良が効きにくい場合がある

柱状改良や表層改良で使われるセメント系固化材は、アルカリ性の環境で固まる性質を持っています。

ところが腐植土や有機物を多く含む土は酸性を示すことが多く、セメントの固化効果が著しく低下してしまうことがあります。

つまり「改良したつもりが、十分に固まっていなかった」というリスクがあるのです。このような土質が疑われる場合は、通常の調査(SS試験)に加えてボーリング調査による土質確認や、専用の固化材の使用が必要になることがあります。

③ 液状化のリスクも

田んぼ跡地など地下水位が高く、砂質の地盤では、大地震の際に液状化現象が起きるリスクも指摘されています。地震の揺れによって地盤が一時的に液体のような状態になり、建物が傾いたり沈んだりする現象です。

また、ハザードマップでは液状化リスクの高いエリアを色分けで確認できます。土地購入前に一度チェックしておくことをおすすめします。

ただし、これはあくまで「参考情報」です。実際の地盤の強度を正確に知るためには、必ず専門的な地盤調査を実施する必要があります。

代表的な調査方法はスウェーデン式サウンディング試験(SS試験)で、鉄の棒を地面に刺し込んでいき、その貫入状況から地盤の固さを調べます。

一般的な住宅ではこの方法が標準的に使われており、調査費用の目安は3〜5万円程度です。田畑だった可能性のある土地では、土質の詳細を確認できるボーリング調査も検討に値します。

新しい土地だから安心、お隣が不要だったから自分も大丈夫!ではなく、「必ず自分の区画で地盤調査を行うこと」が安心の第一歩です。

地盤改良の種類と費用の目安

地盤調査の結果、改良が必要と判断された場合、地盤の状態に応じて適切な工法が選ばれます。代表的な工法を3つご紹介します。

① 表層改良工法(ひょうそうかいりょうこうほう)

費用の目安:30〜60万円程度

軟弱な地盤が地表から2メートル以内と比較的浅い場合に用いられる工法です。

重機で地面を掘り起こし、土とセメント系の固化材を混ぜ合わせて固める方法で、コストが比較的低く、施工もシンプルなのが特徴です。

② 柱状改良工法(ちゅうじょうかいりょうこうほう)

費用の目安:50〜150万円程度

軟弱地盤が深さ2〜8メートルに及ぶ場合に適した工法です。

地面にドリルで穴を掘り、セメント系の固化材と土を混ぜながらコラム(柱)状の固い支持体を作ります。この柱が建物をしっかりと支える仕組みです。

比較的広い範囲で使われており、費用と効果のバランスが取りやすい工法です。実際に施工現場を見学した際は「これだけしっかり補強してくれるなら安心だ」と感じたのを覚えています。

③ 鋼管杭工法(こうかんぐいこうほう)

費用の目安:100〜200万円以上

軟弱地盤が深い位置まで続く場合や、支持層(固い地盤の層)が深くにある場合に選ばれる工法です。

細い鋼管(スチール製のパイプ)を地中に押し込み、固い支持層まで届かせて建物を支えます。施工精度が高く信頼性の高い工法ですが、その分コストは高めになります。

※上記の費用はあくまで目安であり、敷地の広さ・軟弱層の深さ・土地の状態によって大きく変わります。詳しくは調査結果をもとにご相談ください。

地盤改良は「いつ」行うのか?

地盤改良のタイミングについても、よく質問をいただきます。

地盤調査は、土地の購入後・建物の設計後・着工前に実施するのが一般的な流れです。

具体的な流れはこうなります。

土地の契約・購入

建物の設計・プランニング

地盤調査の実施(着工前)

調査結果に基づき改良工法を選定

地盤改良工事の実施

基礎工事スタート

建物の建築

つまり、住宅の基礎工事よりも前に行うのが地盤改良です。

地盤という「家の土台の、さらに下」を先に整えてから、基礎を作り、その上に家を建てていく。

家づくりは「下から上へ」と積み上げていくものなのです。

「また費用がかかるの…」と感じたあなたへ

地盤改良が必要とわかったとき、私自身も正直「えー!」と思いました。土地代を払い、建物の資金計画も立てて、それでもまだ出費があるのか、と。

だからこそ、SENKOでは弊社の分譲地をご購入後、弊社で建築されるお客様に限り、改良工事が必要となった場合の費用を半額弊社が負担する取り組みを行っています。

「安心して土地を選んでほしい」という思いから設けたサポートです。

想定外の出費への不安を少しでも和らげ、納得のいく家づくりをスタートしていただければと考えています。詳しくはお気軽にお問い合わせください。

▶SENKOの土地情報

ただ、地盤改良=費用面では辛い結果だとしても、少し視点を変えてほしいのです。

地盤改良は「余計な費用」ではなく、「安心への投資」だということ。

地盤が弱いまま建てた家は、数年後・数十年後に少しずつ沈み、傾いていく可能性があります。壁にひびが入る。ドアが閉まりにくくなる。窓が歪む。

そして最悪の場合、大地震のときに倒壊リスクが高まります。そうなってから修繕しようとすれば、地盤改良にかかる費用の何倍・何十倍もの出費が生じることがあります。

また、地盤改良を行った記録は「地盤保証書」という形で残ります。

これは将来その家を売却する際の資産価値にも影響する重要な書類です。しっかり改良された地盤の家は、長く安心して住めるだけでなく、資産としての価値も守られます。

家族が毎日帰ってくる場所。子どもが走り回る場所。疲れて帰ってきて、ほっと一息つく場所。その「家」を、しっかりとした地盤の上に建てること。

それが家づくりの基本であり、私たち工務店の使命だと思っています。

地盤改良を正しく知ることが、安心の第一歩

✔ 地盤の強度は土地を購入するだけではわからない。必ず調査が必要。

✔ 同じ分譲地の隣同士でも、区画によって改良が必要だったり不要だったりする

✔ 新しく造成された土地でも、地盤が弱いケースは多い。盛り土・埋め立て地は特に注意。

✔ 工法は表層改良・柱状改良・鋼管杭の3種類が代表的。費用は30〜200万円超と幅がある。

✔ 地盤改良は基礎工事の前・着工前に実施する。

✔ 費用はかかるが、それは安全・安心のための必要な投資。長い目で見ればメリットの方がはるかに大きい。

お施主様にも基本的なことを知っていただくことで、打ち合わせがよりスムーズになり、納得のいく家づくりができると私たちは考えています。

土地や地盤に関して、ご不明な点があればいつでもお気軽にご相談ください。

YouTubeで「柱状改良工事」の様子を公開中!

SENKOのYouTubeチャンネルでは、実際の柱状改良工事の現場の様子を、詳しい解説付きで動画にまとめています。

ドリルが地面に入っていく様子、セメントと土が混ぜ合わさっていく過程……「百聞は一見にしかず」、ぜひ映像でご確認ください。

「こんな工事が行われているんだ」「これだけしっかり施工されているなら安心だ」と感じていただけるはずです。

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